ニコニコ生放送で画家が解説する番組見て、行って本物を見よう思いまして行って来ました。
二日連続で盛大な行列に遭遇。上野の森美術館でのツタンカーメン展が大盛況なようで、朝っぱらから子連れのファミリーが沢山並んでいまして、「最後尾はこちらではありません!」とか行列管理スタッフが叫んでるの。毎日がお祭りかと思ったね、東京は。
そんな行列を尻目に、目的の東京都美術館の前に行きますと、なんとこちらも並んでいまして「60分待ち」とかいうプラカード掲げてるんです。遊園地ですかここは?と思いながら汗を垂らして並びます。しかし建物の影に沿って並ばせたり、パイプテントを設置したりとなるべく日陰に誘導し、途中からは給水所まで設置するというサービスっぷりで、前日の「皆が参加者」のコミケと比較してしまうと、こちらはお客様として扱われ、行列の中で日傘を遠慮無く広げる方も多数いらっしゃるので、昨日のコミケ参加者大多数が、如何に好きな事の為にストイック(?)というか回りに配慮しているかを感じます。(もちろん「傘をささないで下さい、これは雨じゃない!」とか叫ぶスタッフがいてこそですが。)
涼しい館内に入ってもゆっくりと鑑賞というわけにはいかず、途切れることない行列の壁と戦い、なるべく空いている絵を探して見たりと忙しい空間でした。目玉のフェルメール:真珠の耳飾りの少女に至っては不思議なポールに覆われてまたも行列管理されています。最前列で見る人はしっかりと行列にならんで、歩きながらの鑑賞を強いられ、絵の前には10秒に満たない程度しかいられません。(その行列越しに少し離れて見る場合は制限時間なく見られます)
こんな機会は二度とないだろうと、少し離れた黒山の人だかりに並んでじっくりと見てきました。黒い空間で振り返り、光が当たって強調された女性のその目線に射すくめられ、しっかり見ようなどと思わなくても目をそらすことができなくなる魔力がある絵でした。トローニーという特定のモデルが居るわけではなく、人物の表情や感情を描き出すための習作らしいという事ですが、存在しない人物の創造という点で、マンガ文化の日本人には親和性が高いのかもなんて考えたり。
上記の放送で紹介された作品をメインに本物を見ていますと、放送とは違った印象を受けることが多々あり、例えばレンブラントの自画像は、放送ですと瞳が真っ黒に塗りつぶされて恐ろしい絵に見えたのですが、実際見てみると僅かな色の変化がしっかりと入れてあり、まったく違った印象になりました。やっぱり本物を見る必要ありますね。
最後のギャラリーショップに、絵画に描かれた耳飾りについて「これはデカすぎて真珠じゃないだろ」的な考えを吹っ飛ばす、宝飾品メーカー(すみません名前忘れました)提供の超巨大真珠がガラスケースに鎮座しており結構見どころになっています。宝飾品に興味なくてもあれは凄いです。
一旦美術館を離れまして、腹ごしらえにアメ横に移動。500円でカツカレーが食べられるというクラウンエースというカレー屋さんを探したのですが探し疲れてしまい、疲労と空腹とで目に入った「かっぱ寿司」というお店にふらっと入ります。カッパのマークのお店とは関係無く、しっかりと握ってくれるお店です。店の前の看板に大変お安い料金が書かれていたので、大して期待をしていなかったのですが、相当握り込んでいる実力とフランクな会話で楽しませてくれる職人さんに当たり、美味しくランチを終えました。煮穴子が無かったのだけが残念です。
西洋美術館前 ロダン 地獄の門 |
もう一つ、クラーナハ(父)のルクレティアも「こんなロリ絵画を描きおってけしからん」とじっくりと見てしまいましたが、解説を読みますと、どうやらその鑑賞者の視線そのものをディスった絵であることが分かり、数百年の時を超えて画家にぶん殴られたような感覚を味わいました。
後、立体作品がかなり沢山あったので、当時の技術の高さにビビります。
閉館後は庭にあるロダンの彫刻をぐるりと回りましたが、アレを眺めているだけで半日は潰れそう。(閉館後なのにちょっと時間をくれた学芸員さんありがとう。)
時間があったら国立博物館にも行ってみようなんて思っていましたけれど全然無謀でした。いやぁ~上野恩賜公園やばいね、 一週間は楽しめそうな場所です。
この日は翌日に備えて横浜に移動し、某配信者さんオススメのビデオBOXにて泊まる。しかし「ホテルがライバル」というコピーをデカデカと掲げながらも、タバコ臭がエグい空調と、リクライニングチェアのベトベト感がなんとも言えない不快さ、加えてクローバーフィールドなんてものを借りて見始めてしまったので、全然眠れませんでした。
翌日に続きます。