2012年9月14日金曜日

夏の東京はアツゥイ 4日目

15日 靖国神社に向かう。

街宣車の騒がしい目覚ましに起こされて、向かう途中の地下鉄の駅の入口にフルアーマーな警官が立っている物々しい警備。移動中の先々の道路脇に機動隊のバス、覆面になっていない覆面パト。この日特有の異様な雰囲気には慣れはしませんね。
ハマーの街宣車を初めて見た

毎年この終戦の日10時に放鳩式という式典があるのですが、それが毎回キレイに撮れないので今回もチャレンジしてきました。今年はやっとそこそこ良い感じで撮ることが出来ました。


冷たい麦茶をどうぞ~と振舞っているスタッフがいて大変ありがたい。
軍人コスプレしているおっさんたちがいて。普段間違いなく接することのない闇の住人であるオーラがプンプンする、迫力のあるビシっとしたスーツを着たイカツイ人々が沢山いらっしゃっいますが、ここなら警官も沢山いるので目を合わせても大丈夫。人間観察経験値がもりもり上がります。今年は、靖国通りでチラシ配りしている法輪功のチャイニーズに対して、おっさんが政治トークバトルをふっかけていたのが熱かった。
ニコニコ生放送でも中継をしている一般の人が二人いて、配信者も見つけましたが、何をやっているかを知っているとニヤニヤしてしまう姿ですね。公式生放送番組もあったようですが、どうやら離れたところに居たらしく見つかりませんでした。
帰りに見た時には軍歌カラオケ大会状態になっていました


参拝と正午の黙祷を終え、一旦離れてお昼ごはん。

この日の昼食は、神楽坂寿司アカデミーという2,980円でお寿司食べ放題に行きました。TwitterのTLにお店の話題が流れてきたので、旅行前に調べて予約しておいたのですが、8月頭の時点で週末は相当先まで予約で一杯らしく、実際お店でお寿司を頂いている時も、予約の電話がひっきりなしにかかってきており、さらに店に予約をしていない客がフラッと来ては「予約してないと無理なんですー」と追い出されていて、不思議な優越感に浸れます。





さて、こちらのお店は寿司職人養成学校の見習い職人さんが握るから安いよというコンセプトで、ネタは良いけれど握りがいまいちで、ウニに至ってはちょこんと配慮なくタダ乗せてあっただけで思わず笑ってしまった。もちろんお値段に比較して随分と満足させてくれますので、コストパフォーマンスは大変良いと思います。回転寿司風味のサイドメニューが癇に障る人は酢の物頼むと良いです。

お腹いっぱいになって涼しいお店から灼熱の炎天下に戻る。靖国を通り抜けて千鳥ヶ淵に移動。靖国の祝祭的空間とは打って変わって静まり返り、まさに鎮魂という佇まい。今年も出入り口の托鉢している坊さん(尼さん?)が気になったけれどスルー。来年は小銭を入れて宗派を聞いてこよう。


午後もいい時間になり、前日の特撮展を全部見られなかった事がずっと心残りで、会期中にもう一度来ることなどないだろう― という事で、結局2度目の特撮展に行って来ました。
いやぁやはり特撮映像が凄まじい。阿呆のように見終わっては再度後ろに並び、見終わっては並びを繰り返し、前日と合わせて5回見ました。それだけ凄い。
初めて見た時の衝撃は心臓を鷲掴みにされるレベル。その・・・煽りとして「鳥肌注意!」とか馬鹿にされる表現があるんですが、いやね、本当に鳥肌というか背中に何かがゾワゾワくる恐怖と、巨神兵の放つ陽電子ビームでブッ飛んでいく街並みの終末っぷりの凄まじさにカタルシスを感じ、ちょっとナレーション大きすぎというかウルサイだろうというくらいに思っていたけれど、あの音量じゃないと映像に負けちゃうんですよね。それであの爆音ナレーションなんでしょう。「恐怖こそが神の本質」という舞城王太郎の言葉が冴える。9分3秒で映像が終わり、最後の最後に「ブツッ!」という完全に作品外の音が鳴るのですが、あれがなければもう茫然自失し、その場から動けなくなるだろうと思います。あの音で我に返る事ができる。
完全に世界の終わりの只中に放り込まれる映像。序盤~中盤はいちいちニヤリとするシーンもある、しかし後半は怒涛のひたすらの圧倒的破壊シーンによって、本当に「為す術がなくなった人類は祈るだけ」状態。何度でも見たい。
狂ったように連続視聴した後、次のコーナーでは特撮映像の作り方のネタばらしを贅沢に映像と制作時のノートなどによって公開してます。映像視聴→ネタばらし→映像視聴→ネタばらしというループをすることで最高に楽しめると思います。

展示物もどっからそんなに集めてきたんだ?という年代物の、なんでも鑑定団の北原さんがうれしそうに鑑定しそうな物品が山のように展示されている。そこここに庵野監督の愛のこもった解説があり、その愛に答えた個人収集家達が展示協力したらしく、作品名と解説の下に「個人蔵」という物品が数多くある。帰ってきて図録を見ますと「なべやかん」の名もありました。
これを書いている時点ではまだ会期中なので、これから行く方は少しでも良いと思ったら図録の購入をオススメします。インタビューが数多くあり、また展示数が多すぎるが故にオススメされていた作品について忘れてしまいがちなので、振り返る資料として良いと思います。


楽しかった旅行も終わり。

ゆで太郎 もりそば
新宿でバスに乗って帰る前に、ビビりながら早足で歌舞伎町のいわもとQに言ってお蕎麦をすするのがお決まりのパターンになりかけていましたが、ふと目に留まったゆで太郎に入る。もりそば260円という驚異的コストパフォーマンスでありながら、茹でたての蕎麦を食わせてくれ、ツルリとした喉越し良い蕎麦で旨かったです。確か漫画めしばな刑事タチバナにて語られていた立食い蕎麦屋という事で目に留まったのだと思いますが、そういう田舎にはないチェーン店というのも、東京に出張った際に食べるのが楽しみです。
その漫画は漫喫で読んだだけなのですぐに確認できないのですが、天ぷら革命ふじ好ってのは載ってたかなぁ?靖国通りを歩いているときに「天ぷら革命!」という看板と、日差しの激熱い外から店内を見ても、そらまた暑そうにねじり鉢巻のおっさんが天ぷらを揚げていて大変惹かれるものがあったのですが、何しろ食べ放題の店に行った後ではハシゴなど出来るわけもなくスルーしてしまった。次があったら行ってみたい。


以上。新宿から安いバスに乗って帰りました。最後にまとめを書くかも。

2012年9月2日日曜日

夏の東京はアツゥイ 3日目

 14日 横浜美術館へ。
帰ってきてからのニュース記事ですが。
土地公社、来年度廃止へ 横浜市 負債1500億円肩代わり

総務省の調査によると、横浜市の公社の保有地額(簿価)は二〇一〇年度末で、約千七百二十八億円と全国最大。二位の愛知県の約八百五億円を大きく引き離して いる。 横浜市の数字を押し上げているのは、保有地額の七割を占める、みなとみらい21地区の土地だ。市管財課によると、民間による虫食い開発を避け、計画的な 街づくりを進めるため、区画整理前の一九九三~九八年に公社が先行取得したという。

みなとみらい駅から横浜美術館へ向かって歩く途中、日産本社の下層部分を「ヴォースゲー」と思いながら通りぬけてつらつらと歩き、名だたる企業がでかいビルを建てているみなとみらい臨海地区を横目に進むのですが、たまに不思議な空間が空いているので売れ残りってのはあのことか― と思ったのは帰ってからこの記事を読んで。やっぱり現地を見ていると情景が浮かんでニュース記事の理解も深まりますね。
そうしてたどり着いた横浜美術館ですが随分と開館時間までに時間が あったのですが、特に予定は無いけれど周辺散策すれば良いかな~と思っていたところを雨に降られてしまい、普段は車で移動している為に天候などは雪以外は大して気にしていない生活であった事を思い返し、「雨の日は憂鬱・・・」そんな言葉に重みを得ました。


美術館周辺が工事中でその周囲を囲っている壁に美術家の名言集が書いてあって面白い。



奈良美智、君や僕にちょっと似ている展。こちらもニコニコ生放送での放送をきっかけにして見に行きました。ダンボールに描いている作品以外は、ほとんどガラスに覆われていない ため直接見ることが出来ます。ありとあらゆるモノをキャンバスにしてしまう”お絵かき楽しす”精神が溢れる。特に良かったのは今回初挑戦したという巨大なブロンズ像、その中でも真夜中の巡礼者が素敵だった。巨大な生首のほうがインパクトがある中、唯一全身をとらえている作品で、曲線の美しさの造形と、照明のあて方による顔部分の影の深さと、床に落とす3つのシルエットの妙。ユーレイのような姿。ぐるりと作品を中心に回ると、暗い顔を覗きこみたくなるように配置とライティングをしていながら、やはり後ろ姿が一番美しいのが面白い。悲しみは見えない方が良い?悲しみと共にそれでも歩き続ける姿が美しい?そんな風に見えます。雰囲気は上記放送と取材されている方がいたのでこちらのページもどうぞ。
本展は地元中学生の夏休み課題になっているようで、一生懸命に模写したり感想を書いたりするキッズと、合わせて単純にファミリーと女性に人気なので自然と賑やかな空間になり楽しく鑑賞できました。「かわいい」の言葉の数に脳みそが侵食されるほどに美術館内が「かわいい」に覆われています。

― と思って鑑賞終了すると、常設展示も企画展のチケットで見られるという事で回ってみると、シュルレアリスム大好きです!と収蔵作品が叫んでいるように猛烈 なインパクトある作品の数々を終わりに見せられるので、大変楽しいのですが疲れてしまいます。常設はフラッシュ無し撮影可能。


焼き豚とろろ丼的な物、旨い
午後もいい時間になってしまい、次の予定が切羽詰まるだろうと分かりきっていながら、それでもせっかく横浜に来たのだから中華街行きたい!と勢いで行って来ました。元同僚の働いていた店のエピソードを聞いていたのでそちらのお店を調べたのですが、ちょっと手が出ない感じのお店だったので、軽く検索して良さ気な所にふらーっと入る。完全に女性ター ゲットのお店っぽくて引きそうになりましたが普通に案内されたので飯をさーっと食べてさーっと出ました。中華街はフェスティバルでもやってるのかという様相ですが、そのお店は落ち着いた雰囲気で、これは女性が居座るのも理解できるという感じでした。
お昼を食べたお店、悟空はお茶屋さん。2Fが喫茶になっている。
関帝廟。屋根の造形と配色がすんごい賑やかで縁起が良さそう。


そして次の東京都現代美術館の特撮博物館展へ。 しかし到着は閉館1時間前、中華街の寄り道がまずかった。疲れきった体で展示を回るけれど、これはもう1時間では全然時間が足りない内容で、前半をじっく り見ていたらもう時間内ですので~とずいずい奥に進むように即され、目玉の特撮映画だけはしっかりと見ましたが、基本的に早足でどんどこと進みました。しかしここにはもう一度来ることになります。あまりに凄すぎて。
4日目に続く。

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