2012年4月24日火曜日

東浩​紀 川上量生対談を振り返る4

続きです。この部分はあっち方面の人からかなり異論が出そうなので要約せずほぼ書き起こしです。気になる方は元動画にコメントガンガン打って、どうぞ。
ニコ生思想地図「『おもしろい​』をセカイに広めるには」東浩​紀×川上量生
    http://www.nicovideo.jp/watch/sm15580519
公式まとめはこちら
    http://news.nicovideo.jp/watch/nw112807

震災から半年の段階で台風が来てまた100人くらいの犠牲が出た、日本という場所が人間が安心して暮らすためにはものすごいコストがかかる、震度7とかの地震を耐えるような建設コストをかけなければいけなかったり、世界的に見ると物凄いハンデを負っているのではないかという話題。

川上会長: でもヨーロッパ半島は痩せた土地で、ローマ時代に森林を焼き払われて資源が乏しくて、小さな国がたくさん争っていて、そんな国でも栄えたのはどうしてか?

東浩紀氏: 梅棹忠夫氏の「文明の生態史観」のなかでの、ユーラシア大陸の西の辺境と東の辺境だけが結局勝ったという説。次に「文明としてのイエ社会」で語られる、東日本と西日本は基本的に別の国で、
・東日本   と   西日本
・西ヨーロッパと東ヨーロッパ  の対立が重なっている。
西日本と東ヨーロッパの農業形態や社会の構造がある程度似ている。そのさらに辺境として出てきた西ヨーロッパ=東日本は資本主義に対して最も適合性が高かったという説がある。しかしグローバル化が進むと辺境は結局辺境にすぎない問題が出てきた。例えば成田空港はハブ空港には絶対になり得ないといった話など。


一旦話を区切り、日本はこれからどうなっていくのか?
川上会長:
日本語って変じゃないですか、論理的じゃないし。その非論理的言語で非論理的な事を喋っている大量の人たちが、(世界と)違うモノが出てくると思う。その違うモノの生み出す競争力というその一点に賭けるしかないかもしれない。
東浩紀氏:
それって神風みたいなものじゃない?こいつギリギリまで来てる感あるよね。地震とか来るけどイケルーッ!みたいな。こんな時こそクルッ!みたいな。
―― 日本の建国のところまで遡ると、日本て地理的に辺境にあって、黒潮や半島からのルートで人がよく流れこんでくる場所で、色々な人種と混血を繰り返した結果日本人になったとよく言われる話で、日本は危機が何度かあって大化の改新とか天地天武朝の頃と、明治維新の頃で、両方共外国からある種破廉恥なまでに制度などを受け入れて、外国人を大量に入れて国の形をガラッとかえて凌いでいる。
この国の最も強い伝統は破廉恥に身を開くことだと思う。自分たちの伝統を大切にしないという伝統を持っている国だと思う。生き残るためにはそうしなければならなかったし、それによってダイナミズムを確保してきた。今回の地震がどのくらいの危機かわからないけれど、身を開くということを考えてみても良いかと思う。日本という国をコントロールしている部分を緩めるということ。
新羅と唐が連合軍を組んで百済を滅ぼした時に王族とかが逃げこんでくる、日本はそういう逃げこんでくる土地、難民とかが来る国。日本でなぜオタク文化が栄えるかというと、日本て凄く脱落している奴にやさしい国で、日本という国そのものが脱落しているというか脱落国家なわけで、二流の脱落した外国人がやってきて文化を生み出していくというような事が歴史的に繰り返されてきた国なんじゃないかなと。

川上会長:
そのダメな人達がいっぱいいるネットが日本を変える唯一の可能性だと思う。

東浩紀氏:
しかし、そのダメな人達が自分たちだけのダメな王国を作りました。以上誰も入らないでください。 とこれじゃダメ。

川上会長:
しかし、日本のリアルな世界では外に出て行かないとか言っているが、ネットのMMOや2ちゃんねるとかでは韓国人とやりあったりとか4chanと交流したりだとかしている。実はクローズなネットの深部で交流をしている。

東浩紀氏:
しかし、ネットの別の閉鎖的な一派が居るわけで、そっちの方向に行ってしまってはいけない。
サブカルチャーの交流をしている韓国や中国がボーカロイドなどを作ったり当然してきて、日本のオタク文化にキャッチアップしてきた時に閉鎖的になってしまう事が考えられる。日本のオタク文化はアキバやコミケなどあるから比較優位を持っていて、そこで評価されたいという外国人は多いと思う。そういう人達に対して「みんなおいでよ」と言えれば良いが、こっちから攻めて行くのは、こっちに来られたら困るみたいなのはいけない。

川上会長:
でもニコニコ動画もネットの文化の海外発信とかしていかなければならないのではないかという世界的な指名を感じているが、台湾ニコニコ動画を作ったが、台湾人は日本ニコニコ動画に来てしまう。だれも台湾ニコ動にアクセスしない。だから、僕らはそのまま受け入れればいいんじゃないかと感じている。

東浩紀氏:
今この国を規定しているのは、開国か攘夷かというイデオロギーの対立だと思う。原発の対応なども見ても外交がとても弱い。この国はいつの間にか国民の感情だけでなく、国全体が内向きになっていて。攘夷、外国人出て行けという感情も出てきている感じがするが、こっちに振れてしまうと良くない。
江戸から明示の時に良かったのは、明治維新の時、倒幕派は最初は攘夷であった。既存政権は開国しようとか言っていたところを、そんな事言ってたら駄目だ攘夷だよ攘夷!とポピュリズムを共にしてぶっ潰したけれど、その後に「いや開国ですから」と開き直った。そういう事をやっていくしか無いと思う。

というお話からネットの国境、GoogleやAmazonなどグローバル企業のルールについての話に繋がります。
今回のオタク文化に中韓がキャッチアップしてきた時に受け入れられるか問題については、韓国人漫画家が日本で活躍していたりとか、ネトゲのキャラデザイナーの画集が売れまくったりと、単純に興味の段階でやっていれば良いんだけれど、なぜだかその人の漫画もキャラも知らない人たちがニュースを見て、外から叩き始めると荒れるのは、最初のほうで書いた「怒る人々」と呼ばれる閉鎖的でありながらネットでの存在感が強い人々が出てきた時じゃないかと思います。
彼らは今回語られた「攘夷」という感情そのもののように思えますが、原動力は一体何なんでしょうかね・・・韓国ドラマのゴリ押しがどうのってのは確かに納得できる情報が出ているからわからないでも無いですが、ただ別の国の作家というだけで拒否反応を起こすのはなんとも理解に苦しみます。

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